読了「REVERSE リバース」石田 衣良

ネットで出会い、メール交換だけで親しくなった千晶と秀紀。仕事や恋愛について、身近な人間には話せないような本音も、メールでなら素直に語れる。けれど、ひとつだけ、嘘をついていることがあった。実はふたりとも、性別を偽っていたのだ。相手を同性と思いながらも、次第に心惹かれてゆくふたりだったが―。性別や外見など、現実の枠をこえて心を通わせる男女の、新しい出会いと恋の物語。


ジャケ買いという言葉がある。本を選ぶときに表紙は大切だ。まずは最初に目に付く部分だから当然だ。ただ、中身(本の内容)とはかけ離れた場合が多いように思う。でも目の前のこの本を手に取ってみようという気を起こさせるのは表紙だ。

そして次に裏表紙のあらすじに目をやる。読者を惹き付けるためのあらすじ。いや本を開いて読者になってもらうためのあらすじ。このあらすじを参考にしてこの本を購入するかどうか判断する事になる場合がほとんど。

しかしこのあらすじもまた結構くせ者だと思う。往々にして中身を表現し切れてはいない。まあ当然の事ではある。数百ページにわたる内容をほんの百字程度で伝えられる訳がない。

今回選んだこの本も同様だった。あらすじはあくまでもきっかけにすぎない。
とても素敵な恋の物語だった。


文字だけの集まりである小説。読み手がそれを受け取り自分で世界を作っていく。

これが読書の楽しみだ。映像では味わえない、自分だけの世界を作れる楽しみだ。

さて、次はどれを読もうかな。


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